「転職したいのだが、自分にとって何が良いのか分からない」
これはもはや、全人類共通の悩み、地球の叫びと言っても差し支えないかと思います。

お金はそこそこもらえているし、我慢できないことはないんだよな〜

転職活動って何だか怖いし、結局は現状維持に落ち着いちゃうんだよな〜
そんな狭間で何年間も揺れていて、なんだかんだ今の仕事を頑張ってしまうのではないでしょうか。
ぼんやりと「このままじゃダメだ…」と思いながらも、コレ!というやりたいこと、いきたいところもなく、結局現職にとどまっているのではないでしょうか。
考えてもさっぱり答えが出ないという場合、実は当たり前過ぎて見落としている判断軸があるということを、NASAよりも先に発見しました。
なぜそんなことが起こるのか?と思われますよね。
端的に言えば、必要以上に難しく考えているからです。
ちなみに、これからお話しする内容に、適職診断や特別なフレームワークは登場しません。
私自身、一貫した人事キャリアと実際に転職経験者であることから、知人にアドバイスを求められる機会が多くありますが、必ずこの話をするようにしています。
本記事では、ちょっとした気づきを引き出すことで「だから自分は転職したいんだ」と言語化する手助けをしていきます。
最後まで読んでいただければ、あなたが職場環境に求める本質的なものがクリアになりますので、是非参考にして下さい。
結論:価値基準を明らかにせよ
早速、一番大事なことをお伝えします。
転職したいと感じる根本的な要因は、自分の価値基準に反しているためです。
価値観と言った方が聞き馴染みがあるかもしれませんが、要するに好き嫌いを判断する基準のようなものです。
多くの場合は無意識的にオリジナルの価値基準フィルタを通して振り分けられるので、自分にとっては当たり前のことだと感じています。

この「当たり前」というのが厄介で、「では何が基準か?」と問われると自分自身ではっきり認識できていないのです。
何となく求人票を眺めていても、それが何なのか明らかにした上で転職先を選ばないと、また同じことが起きてしまいます。
方法:あえてネガティブ感情にフォーカスする
もう少し具体的な方法をお話しすると、あなたが職場で「当然こうするでしょ」と判断しているものに目を向けてみましょう。
…そんなこと急に言われても難しいですよね。
最も有力な情報源は、自分自身の感情です。
コツとしては、ネガティブな感情から振り返ると案外ポンポン出てくるはずです。
ネガティビティ・バイアスと呼ばれる、ポジティブな情報よりもネガティブな情報に目を向けやすい人間の性質を利用するのです。
まずは、今の会社の方針や職場環境に腹が立っている部分、我慢できない部分を挙げてみましょう。
いくつか挙げることが出来たら、今度は「それってつまりこういうことだよね」というレベルに抽象化してみて下さい。
例えば、私が前職時代に「これは耐えられない!」と感じていたことを抽象化すると、以下のようになります。
- 制約が多い
- 自分の意志が反映できない
- 工夫の余地がない
- 出世目的の忖度
- 社内でしか通用しないスキル
これが、価値基準に反しているものです。
最後に、これらの表現を裏返してみると、以下のようになります
- しがらみがなく、独創的な発想が好まれ、裁量を持って自由に進められる環境
- 出世は気にせず、汎用性のある専門スキルを磨き、結果として市場価値を上げられるような働き方
これが、価値基準を満たした、理想の職場環境・働き方です。
「好きなことなんて分からない!」という方でも、嫌いなことをはっきりさせてから裏返してあげると、輪郭が見えてきます。
何ではない、だから何である、という考え方です。
障壁:ノイズを無視する
「仕事なんてそういうものだ」と、無理に自分を納得させてはいませんか?
親や上司に相談しても、
- 仕事が辛いのは当たり前
- 若いうちは黙って目の前のことをやるんだ
- どこも同じだよ
なんて突き放され、断念する人も少なくないでしょう。
転職先が理想と完全一致する保証はありませんが、現状ではなく理想から考えてみると、それに近づくことは出来ると、私は考えます。
現職で忙しい中でも、思考を止めず、チャレンジして欲しいです。

行動:どのように理想の会社を見つけるか
本記事を通じて自身の価値基準が明らかになったら、マッチ度を確認するために会社ホームページを検索しましょう。
「価値基準」や「Value」という見出しで、会社が「どのようにミッションを実現するか」という手段を公開している場合が多いです。
実現すべきミッションを山頂に例えると、価値基準は登り方といったイメージです。
会社にとっても、価値基準に共感し、体現できる人に集まって欲しいと思っているので、経営陣がこだわり抜いて言語化しています。
ホームページから読み取れない部分は、面接を通じて明確化していきましょう。
会社側も価値基準にマッチするか見極めたいと考えているので、積極的に確認する姿勢は「真剣に向き合っている」と、むしろ好印象です。
結果的に面接官から「合わない」と判断されたら、「向こうがちゃんと見てくれた」と前向きに捉え、新しい道を模索しましょう。
- 転職したいと感じる根本的な要因は、自分の価値基準に反しているため
- 価値基準を明らかにする上で、好きなことが分からなければ、嫌いなことをはっきりさせてから裏返す
- 「仕事なんてそういうものだ」という周囲からのノイズは無視して、現状ではなく理想から考える
- 価値基準にマッチする応募先を選ぶためには、会社ホームページを参考にする
以上、当たり前過ぎて見落としているものに目を向け、価値基準を明らかにしましょう、という話をしてまいりました。
最後まで読んで頂いて、あなたが「だから自分は転職したいんだ」と言語化できるようになっていたら、とても嬉しく思います。
いよいよ転職活動を開始する場合は、こちらの記事で強い職務経歴書の作り方を解説しているので、参考にしてみて下さい。