【北朝鮮のごみ風船】日本に飛来する可能性とその理由を徹底解説

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北朝鮮韓国に向けてごみの入った風船を飛ばしているというニュースが話題になっています。この事件は韓国にとって重大な嫌がらせ行為として広く報じられています。

でも中身はいわゆる「汚物(直接的な表現は避けます)なんですよね?

そりゃ嫌だけどミサイル飛ばしまくってるイメージなので可愛いものかと。

…まぁこのように感覚が鈍ってしまうのも無理はないですが、油断は禁物です。

現時点では単なる汚物であっても、もし風船に乗っているのがウイルスなどの「バイオ兵器」だったらどうでしょうか?

その場合は軍事行動に発展するため可能性としては低そうですが、このような風船が日本に飛来するリスクについては不安を抱く方も多いでしょう。

ちなみに韓国統一省が2024年6月24日に発表したごみの分析結果では、土の中から人ぷん由来とみられる寄生虫が検出されています。(今のところ韓国での感染症の恐れはないようです)

確かにミサイルなら明らかに危険だし対策も取られているけど、風船とかだと油断しちゃうな…

そもそも日本に飛んでくることって物理的にあり得るのかな?

つきましては、北朝鮮による「ごみ風船」が日本に飛来する可能性について、現時点で確認できる情報を元に解説していきます

現状確認:北朝鮮のごみ風船とは

2024年5月より北朝鮮は韓国をターゲットごみをぶら下げた風船を大量に飛ばしています。

その背景として、韓国では脱北者団体が北朝鮮の政権を批判するビラを風船に付けて北朝鮮に飛ばしており、それに対する報復だとしています。

韓国国内では、既に1,000個以上の風船が発見され、その中には汚物やゴミが含まれていることが確認されています。韓国政府はこれに対して様々な対抗措置を講じています。

では日本にこれらの風船や気球が飛来する可能性はどの程度なのでしょうか。そして日本が安全であるという保証はあるのでしょうか

【参照:北朝鮮の「ごみ風船」、新たに720個 韓国、「耐え難い措置」で対抗表明北朝鮮がごみ風船再開、韓国は拡声器放送で対抗へ

検証:北朝鮮のごみ風船が日本に飛来することはあるのか

論点①:北朝鮮から日本までの飛距離

まずは「飛距離の壁」について考えてみましょう。

北朝鮮から韓国までの距離は約200~300キロメートルであり、風船が比較的容易に到達する距離です。

しかし、北朝鮮から日本までの距離は約1,000キロメートル以上あります。例えば、北朝鮮から対馬までの直線距離は約500キロメートル、東京までは約1,200キロメートルです。

風船が北朝鮮から日本に到達するためには、特定の気象条件が必要です。

夏季は一般的に風が南から北に流れることが多く、これにより風船が南から北に向かう可能性が高まります。具体的には、夏季の風向きは南風が多く、風速は毎秒10メートル程度です。

一方、冬季には強い西風が吹き、風船が日本海を越えて日本に到達する可能性が高くなります。冬季の風速は毎秒100メートル以上に達することもあり、ジェット気流(≒偏西風)が風船を日本に向かわせる恐れがあります

【参照:上空を流れる強い西風 「ジェット気流」とは?

え、じゃあ冬にかけてリスクが高まるってこと?!

論点②:飛行する風船の耐久性

これだけ距離があっても、気象条件によっては日本にも飛んでくるということでしょうか?

続いて「耐久性の壁」について考えます。

高度の問題

まず風船が日本まで飛行するには高度1,000メートル以上でなければ難しいとされています。これはジェット気流と呼ばれる上空10,000メートル前後で吹く強い西風が動力となるためです。

一方で気圧の変化は風船の破裂リスクを高めます。高度1,000メートル以上では気圧が低下し、風船は膨張します。一般的なゴム風船は地上での直径が約30センチメートルですが、高度1,000メートルでは約1.3倍に膨張し、最終的には破裂する可能性が高いです

またゴム風船では高度8,000メートル程度までの上昇が限界とも言われています。その場合は「高度」ではなく「時間」との勝負になります。

【参考:バルーンショップ ウィズビー よくあるご質問

時間の問題

北朝鮮が飛ばす風船には、コストを考えると価格の安いヘリウムガスが使用されていると考えられます。ヘリウムガス入り風船の寿命について調べてみましょう。

今回のようなゴム風船にヘリウムガスを入れた場合、その寿命は約12〜20時間です。当然ながら長距離を飛ぶためには風船がしぼまずに浮遊し続けることが前提です。

北朝鮮から日本までの飛行距離を1,000キロメートルと仮定し、風速10メートル毎秒(約36キロメートル毎時)で飛行する場合、風船が日本に到達するには約28時間が必要です。この計算から、ゴム風船の寿命である20時間を超えるため、到達前にヘリウムガスが抜けてしまう可能性が高いです

したがって風船が北朝鮮から日本に到達するには、ヘリウムではなく水素ガスを使用したり、風船に特殊コーティングを施す必要があります。ただ現時点ではそれだけの追加コストを北朝鮮が日本に向けて払う理由はないように思えます

【参考:バースデーパーティーにはヘリウムガス入り風船が人気!入手方法や寿命、長持ちする種類は?

日本まで飛ばすには強い西風に乗りたいけど、ゴム風船ではその高度まで上昇できない。

では低いところをゆっくり行こうとすると、最後まで浮力がもたずに落ちてしまう、ということか。

結論:日本に北朝鮮の風船が飛来する可能性は非常に低い

これらの仮説に基づくと、日本に北朝鮮の風船が飛来する可能性は非常に低いと考えられます

気象条件や風船の特性、そして北朝鮮との現在の対立構造を考慮すると、風船が長距離を飛行して日本に到達することは難しいでしょう。

とはいえ、他の素材や燃料を用いて改良されたり、偶然の条件が重なることで飛来する可能性は完全には否定できません。

まとめ:北朝鮮のごみ風船が日本に飛来する可能性

最後になりますが、やはり北朝鮮の風船攻撃が日本に影響を与える可能性は非常に低いと考えられます。

以下にまとめを記載します。

まとめ
  • 北朝鮮から日本までの距離は約1,000キロメートル以上であり、長距離を飛行するためには特定の気象条件が必要です。
  • 冬季の強い偏西風が吹く場合は風船が日本に到達する可能性が高まりますが、夏季の風速は比較的弱く到達は難しいです。
  • そもそもゴム風船は高度8,000メートルまでしか上昇できず、ヘリウムガスの寿命も約12〜20時間と短いため、飛行時間の制約があり日本に到達する可能性は低いです。
  • 日本に北朝鮮の風船が飛来する可能性は非常に低いですが、特定の条件が重なることで偶然飛来する可能性は完全には否定できません。

今回は、北朝鮮が韓国に向けて飛ばしている汚物入りのごみ風船について、日本国民が抱く不安を解消するための記事を書きました。この記事が少しでも皆様の安心に繋がれば幸いです。

他にも政治関連で、急に総理候補として名前が挙がった『茂木敏充』自民党幹事長についても記事を書いているので、ぜひご覧になってください!

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