「転職したいけど時間がない…」と悩んではいませんか?
働きながらその仕事を変えるのは精神的にも負担が大きいので、ある程度の時間的余裕は欲しいですよね。
- 自分のキャリアを考えて、このままで良いのかモヤモヤしている…
- だけど、今の仕事も手を抜きたくない…
実は、現業にしっかりと軸足を置きながらも、効率的に転職活動できる方法があるのです。
なぜなら、転職に至るまでの数多くのプロセスを、全て自分でやる必要はないからです。
特に、今の仕事も頑張りたいと思っている「物事にコミットする思考」が備わっている人なら、本当にやるべきことだけに集中すれば、転職活動も結果に繋がるはずです。
具体的な手段としては、転職エージェントを活用します。
- そんなこと知ってるよ!
- 何を今さら…
- 結局これかよ、帰りまーす
そう思ったあなた。
本当にやるべきこととそうでないことの線引きはできていますか?
そして、何を期待して転職エージェントに登録していますか?
- とりあえず求人を紹介してくれる人
- 色々と相談に乗ってくれる人
もしこの程度の認識であれば、現業と転職活動の両立は難しいかもしれません。
私自身も大手金融機関から未経験のITベンチャーに転職しており、その過程で10名以上の転職エージェントと接点を持ちました。
本記事では、これらの学びを体系化した「転職エージェントを活用する3つの視点」について紹介します。
それぞれの視点を踏まえて活動することで、現業で忙しい人でも転職を実現できます。
前提①:情報の非対称性
まず前提として、就職・転職市場では「情報の非対称性」が存在します。

世の中にはどのような仕事(企業・職務)があるのか?
自分にもそれが出来るのか?
その場合、処遇はどうなるのか?
求職者側は、主体的に情報を取りにいかなければ、何も分かりません。
但し、こちらからアクセスする時に、まだ転職軸が未完成の場合は危険です。
今度は膨大な情報が流入し、数多の選択肢から決断を迫られます。
情報の海に溺れると、ただでさえ時間は限られるのに遠回りをしたり、誤った選択をするリスクが高まるので注意して下さい。
なお、転職軸の見つけ方についてはこちらの記事を参考にして下さい。
前提②:転職支援サービスは必須
情報の非対称性を解消する手段として、転職支援サービスの利用が効果的です。
転職支援サービスは「転職サイト」と、今回取り上げる「転職エージェント」の大きく2種類あります。

転職サイトは、インターネット上に企業が広告として掲載している求人に対して、求職者が自由に応募出来るサービスです。
基本的には無料のため、私の周りでは、すぐに転職を考えていなくても情報収集として登録している人は多いです。
転職エージェントは、求職者と企業の間で、キャリアの専門家が橋渡しをしてくれるサービスです。
また、支援体制については、人材紹介会社によって「分業型」と「両面型」の2種類あることは押さえておきましょう。
「分業型」は、求職者側を担当するキャリアアドバイザーと、企業側を担当するリクルーティングアドバイザーに分かれており、効率的な支援体制が特徴です。
「両面型」は、その名の通り同じキャリアコンサルタントが求職者側・企業側をどちらも担当するため、一貫性のある支援体制が特徴です。
まずは自分の担当エージェントがどちらに該当するのか確認し、効果的なコミュニケーションを取りましょう。
- 担当が「分業型」エージェント
- 企業側と強いパイプを持っているリクルーティングアドバイザーを通じて、専門性の高い情報を引き出してもらう
- 担当が「両面型」エージェント
- キャリアコンサルタントと密に連携を取り、採用担当者の意図を引き出したり、こちらの志向性を伝えてもらう
いずれにしても、求職者にとっては、求人紹介から書類作成、面接準備まで、幅広いサポートを受けられるため、転職支援サイトとあわせて必ず登録しておきましょう。
転職エージェントを活用する視点
ここからが本題になります。
私自身の経験を元に体系化した「転職エージェントを活用する視点」について紹介します。
先に結論を書くと、「自分にできること」と「エージェントにできること」のマトリックスで考えて、左上の「本当にやるべきこと」だけに集中して下さい。

本記事の内容は、右側の「エージェントにできること」です。
それでは、詳しく見ていきましょう。
マーケット情報の収集
まずは、自分の戦うマーケットについて知ることが重要です。
内定を勝ち取るためには、以下の2点をクリアする必要があります。
- 企業からの「絶対評価」基準を満たす
- ライバルよりも高い「相対評価」を獲得する
当たり前のことですが、たとえ候補者があなた一人であっても、企業の求める水準に達していなければ採用されません。
また、企業の求める水準に達していても、他の候補者より劣っていれば、これも採用されません。
マーケットは目まぐるしく変わります。
- 企業がどのような人材を必要としているのか
- 自分がどのようなライバルと競合しているのか
私の場合は、最も競合する相手がコンサルファーム出身者であると想定し、面接においては「事業会社ならでは」のアピールポイントを意識して話しました。
日々クライアントと向き合うエージェントから、鮮度の高い情報を入手しましょう。
そして、自身のポジショニングを確認し、勝つイメージをしましょう。
- 企業からの「絶対評価」基準を満たすために、募集背景や求められる人材像について確認する
- ライバルよりも高い「相対評価」を獲得するために、選考における競合状況について確認する

選考プロセスの円滑化とPDCA
選考プロセスにおいて、自ら企業と連絡を取り合うことはありません。
皆さんは就職活動時代、どのように選考エントリーしましたか?
企業ごとにエントリーシートを作成して、メールで送信したり、時には郵送したり…。
リクルートエージェントをはじめ、現在の転職支援サービスは、基本的に選考書類(履歴書・職務経歴書)の使い回しが出来ます。
そして、一度作成していればボタンひとつで応募が可能です。(選考書類の作り方はこちら)
後日、エージェント経由で合否について連絡があります。
書類通過の場合は面接に進むことになりますが、こちらの希望をエージェントに伝えるだけで、企業側と日時を調整してくれます。
数日待っていれば確定連絡がありますので、あわせて面接官の情報や選考の傾向についてヒアリングしましょう。
人材紹介会社に蓄積されているデータを、使わない手はありません。
面接の合否についても、エージェント経由での連絡になります。
この時、結果に関わらず、自身の評価点と懸念点を確認するようにしましょう。
日々の仕事と同じように、PDCAを意識するのです。
Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返すことによって、転職活動を継続的に改善していきます。
こちらから何も働きかけず、エージェントを単なる調整担当として利用するのは勿体ないということです。
次回選考に進めた場合、一定水準の評価を獲得しているのは確かですが、少なからず懸念点はあるはずです。
面接官のレイヤーも上がるため、採用しても問題ない人材か見極めるために、鋭い質問が飛んできます。(2次面接対策はこちら)
- 自分は何を評価されたから合格なのか
- そして、何を懸念されていて次回選考で見極められるのか
これらを把握した上で準備が出来れば、面接を優位に進められます。
お見送りの場合も、経験、スキル、コミュニケーション、どこにギャップがあったのかを認識しておく必要があります。
もしかしたら、募集ポジションについて、自分のイメージと乖離があったのかもしれません。
理由を非開示にしている企業もありますので、可能な範囲で構いませんが、こちらから積極的に確認しなければ得られない情報であると理解しておきましょう。
耳の痛い話もありますが、それが経験値となり、必ず他の選考に活きます。
- 自分の行動に対して、結果がどうなったか
- その要因は何だったか
- だから、次はどうするのか
PDCAを意識し、少なくとも同じ失敗を繰り返して活動が長期化するようなことは避けましょう。
このように企業側から情報を引き出せるのも、エージェント経由ならではです。
時間は限られますので、エージェントのサポートを受けながら、全てを学びに変えて、円滑に転職活動を進めていきましょう。
- 応募手続きや面接調整をエージェントに任せることで選考プロセスを円滑化する
- 面接後は合否に関わらず自身の評価点と懸念点を確認する
客観的なアドバイスを受ける
自分の意思をしっかりと持つことは大切です。
とは言っても、転職という大きな決断をひとりでするのは不安ですよね。
そんな中、専門家からいつでも客観的なアドバイスを受けられるのは非常に心強いです。
ましてや現職においては、なかなか転職活動をオープンに出来ないという人も多いのではないでしょうか。
そうなると、後ろめたさを感じたり、精神的に疲弊することがあります。
担当のエージェントがいれば、選考の話に限らず、フラットにキャリア相談が出来ます。
活動の質を高めるだけでなく、心理安全性が担保されることで、ゴールまで走り続ける環境づくりにも繋がります。
- 転職は孤独な戦いだからこそ、客観的なアドバイスをくれるエージェントが必要
最後に:信頼しても信用しない
これまで述べてきたように、エージェントを「信頼」して支援を受けることは良いのですが、決して「信用」してはいけません。
なぜなら、あなたの人生に責任を取れるのは、あなたしかいないためです。
エージェントは、あなたに対して出来る限りのサポートをしてくれるでしょう。
しかし、その要望を完全に満たしてくれる保証はないのです。
- 自分とエージェントが互いに最大限の努力をするという「信頼関係」の下で転職活動を進める

本記事では、転職エージェントを活用する3つの視点について紹介しました。
自分ではなくてもできることは、エージェントに信頼して任せましょう。
その上で、エージェントだからこそできることを、積極的に活用しましょう。
これらを実践し、本当にやるべきすることに集中することで、現業で忙しい人でも転職は実現できます。
志向性の整理と面接準備は各記事で紹介しているので、あわせてご覧下さい。