ただでさえ転職って勇気がいるのに、コロナの影響を考えると、どうしても不安になりますよね。
本記事では、その最中に転職活動をした経験から、実際の環境変化と「こうしたら上手くいった!」というノウハウを共有させて頂きます。
すぐに実践できるものばかりなので、是非ご自身の活動にお役立てください。
転職マーケットへの影響
まずは全体傾向ですが、厚生労働省が5月28日に発表した令和3年4月の有効求人倍率は、前月よりも0.01ポイント低い1.09倍。
令和1年12月以降9ヶ月連続の悪化から、令和2年10月をボトムに直近は上向いているものの、前年同月比では0.21ポイントのマイナス。
新規求人は前月よりも0.17ポイント低い1.82倍で、依然としてコロナの影響は大きく雇用回復とは言えない状況ではありますが、一方でコロナを追い風に成長を遂げているテクノロジー領域等においては人員補充を検討する企業も存在します。
実際に、私はIT業界志望でしたが、転職支援サービス経由で数十社の求人を紹介頂きました。
ちなみに、毎日求人情報をチェックしていると「今はこのようなサービスが伸びているのか」「この職種はデマンドがありそうだ」と市場動向が見えてくるので、それだけでも有益です。
マーケットは目まぐるしく変化するので、魅力的な求人があればクローズしないうちに応募することです。
同様に新しい求人にも目を光らせて、とにかくタイミングを逃さないようにすることが大切です。
チャレンジするのはタダです。
現業で忙しいという人も、まずはビズリーチやリクルートエージェント等の転職支援サービスに登録し、徐々に自身のポートフォリオを調整していくことをおすすめします。
まずは一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
なお、エージェントの活用方法についてはこちらの記事で解説しているので、あわせてご覧下さい。
- 4月の有効求人倍率は前年同月比0.21ポイント下回り、依然として雇用回復とは言えない状況
- コロナ禍でも成長中のテクノロジー領域等において人員補充を検討する企業も存在
- 転職支援サービスは市場動向を掴むツールとしても有益
選考プロセスへの影響
書類選考についてはメンタル面、面接選考についてはテクニック面に近い話をさせて頂きます。
今回は「コロナ禍の選考で意識すべきポイント」に絞っておりますので、書類選考や面接対策の詳細についてはこれらの記事も参考にして下さい。
書類選考
もどかしくても根気強く
企業によっては、社内オペレーションに影響が出ていたり、応募者が殺到している場合があります。
書類選考については、以前に比べて時間を要すると考えた方が無難でしょう。
私の場合、エージェント経由で選考書類を提出後、翌日に面接の案内がきたこともあれば、3週間後ということもありました。
2週間経ってもレスポンスがないようであれば、エージェントに確認しても良いと思います。
一喜一憂しない
業界・職種にもよりますが、全体的に書類選考のハードルは上がっていると考えられます。
多くの場合「即戦力」が前提となる転職市場ですが、コロナ禍でより顕著になった印象です。
企業は、この不透明な経済状況の中で、高いコストをかけて人材獲得しようとしているのです。
このようにお伝えしているのは、ただ不安を煽りたいのではなく、書類選考で一喜一憂して欲しくないためです。
私も経験しましたが、どれだけ熱意を持っていても、先方にマッチしなければあっさりと落とされます。本当にあっけないです。
「優秀だと思うけど、今どうしても採用したいとは思わない」
実際はそんなところでしょう。(あまりに応募先が畑違いでなければ)
恐らく、あなたの経験・スキルが劣っているのではなく、企業が求めているものと少しズレているだけなのです。

転職は「手段」であることを忘れない
私たちにとって、転職は課題解決の手段です。
理想と現実のギャップ(=課題)について、環境を変えることで解決しようとしているはずです。
また、それは企業にとっても同じです。
事業における課題を、中途採用という手段で解決しようとしているのです。
そのように考えれば、ミスマッチがあるのに入社してしまうのは、かえって自分を苦しめることになります。
自身の抱える課題は解決できず、更には企業側の期待にも応えられない可能性が高いためです。
つまり、もし志望度の高い企業からお見送りになっても「今、このポジションには合わなかっただけ」と考えて、ほかの企業を検討する方が合理的なのです。
コロナ禍に限らない話ではありますが、今だからこそ意識しておきたいポイントとして書かせて頂きました。
なぜなら、転職活動が思うように進まないと、どうしても焦ってしまい、転職が「目的」になりやすいためです。私も経験しました。
未曾有の経済危機においては、成長企業であっても、高いコストの発生する中途採用には慎重になります。
どうか巡り合わせだと思って、自身の課題を解決出来る転職を心掛けて下さい。
一方で、経験・スキルは申し分ないのに、先方に選考書類を通じて充分に伝わっていないということであれば大問題です。
その点については、こちらの記事で詳しく解説しています。
- 転職は課題解決の手段である(目的化しないように注意)
- 企業にとっても中途採用は事業課題を解決する手段である
- 不採用でも「今、このポジションには合わなかっただけ」と考えて他企業を検討する方が合理的
面接選考
今、転職活動しないのはもったいない!
コロナ禍で、実は転職活動自体の物理的ハードルは下がっています。
面接の形式ですが、今年に入って多くの企業が対面からオンラインに切り替えているため、実際は従来よりも多くの企業にアプローチ出来ます。
現業でリモートワークや時差出勤が可能であれば、尚更です。
また、時間や労力という投入コストが抑えられるだけでなく、自宅で面接を受けられることで精神的な負担も少ないです。
私は、転職をするまではひとつの企業しか経験がなく、これほど色々な企業の方とお話しする機会はありませんでした。
ご縁のなかった企業も含め、多くの学びがあり、自身の知見を広げることが出来ました。
コロナ禍では「人との距離が離れるイメージ」ばかり持っていましたが、転職活動についてはより手の届きやすいものになっていると感じます。
この先、選考方法が対面式に戻るのか、オンラインが主流になっていくのかはまだ分かりませんが、今をチャンスと捉えて活動してみても良いのではないでしょうか。
但し、企業によっては「前回の応募から1年間は再応募不可」というケースも存在します。
闇雲に選考を受けてしまうと、その先の選択肢を狭めるリスクがある点、ご留意下さい。
- オンライン面接の浸透に伴い従来よりも多くの企業にアプローチが可能
- 活動の効率化に加えて自宅で面接を受けられることで精神的負担も少ない
- 合否に関わらず様々な企業の社員と話せるのは知見拡大に繋がる
オンライン面接のポイント
私の経験から「ネットワーク接続」「服装・背景」「画面越しのコミュニケーション」の3点について、今すぐ実践出来るアドバイスをさせて頂きます。

ネットワーク接続
一番大事なポイントです。
映像・音声ともに面接が滞りなく行えるレベルかどうか、必ず確認して下さい。
面接案内メールに記載のURLから、WEB会議ツールの種類が分かるので、心配であれば家族や友人に協力してもらい、事前にテストすると良いでしょう。
WEB会議ツールは「Zoom」「Google Meet」「Google Hangouts」「Microsoft Teams」「Blue Jeans」などがありますが、私の場合はほぼZoomとGoogleでした。
面接の難易度は第一印象で変わるので、もし接続が上手くいかずに、冒頭で面接官にフラストレーションを与えてしまうと、大なり小なりその後のやり取りに影響します。
ITリテラシーが低いという印象を残しても勿体ないので、事前にPCまわりは整備しておきましょう。
服装・背景
服装については、自宅であってもスーツ(白シャツ・ネクタイ着用)をベースに考えた方が無難です。
一方で、企業風土にマッチしないという印象を与えて逆に評価を下げないように、ホームページ等に掲載されている職場風景から普段のドレスコードを確認し、それに近い服装で臨むのが良いでしょう。
私は、とあるITベンチャーの面接(面接官も私服)にて「リモートワークの日もスーツを着ているんですか?」と若干引かれたことがあり、次回面接からは私服で臨みました。(念のため、襟付きのシャツで)
自宅の場合は、背景も選考対象というくらいに気を配り、なるべくクリーンな環境にしておきましょう。
面接官は、限られた時間の中で評価するために、あらゆる情報を収集しようとします。
また、自分の顔が明るく見えるように照明も調整しておくと、面接の直前に焦らずに済みます。
画面越しのコミュニケーション
WEB会議に慣れている人でも、面接は思った以上に難しいです。
まずは挨拶からです。
開始5分前には案内メールに記載のリンクからアクセスして、待機しましょう。
面接官が会議に参加(正確には自分が招待されている)したタイミングで、接続状況を確認されるので、あわせて「こちらの音声もクリアに届いておりますでしょうか?」と呼びかけることで気配りが出来る人物として序盤に好印象を残せます。
ここからが本番です。
画面越しで円滑にコミュニケーションを取るためには工夫が必要です。
普通に(画面上の)目を見て話しているつもりでも、相手はカメラを通してあなたを見ているので、伏し目がちに見えてしまいます。
対応としては、なるべくカメラ目線を意識しながら、時々画面で相手の表情を確認するのが好ましいです。
また、面接官の表情を読みづらいので、対面よりも気持ちゆっくりめに話しながら、注意深く反応を見ましょう。
同様に、自分の表情も面接官に伝わりづらく、カタい印象を持たれてしまう可能性があるので、意識的に口角を上げると尚良いです。
気合が入っていると、ついテキパキと回答しがちですが、オンライン面接ではある程度ゆったりと構えておく方がコミュニケーションはスムーズです。
ネットワークの接続状況にもよりますが、基本的に声や動作は遅れて届くので、会話が続く場合でも発言を被せてしまうリスクを軽減できます。
なお、オンラインに関わらず、面接選考で陥りやすい注意点をこちらの記事で解説しているので、あわせてご覧下さい。
- 事前にネットワーク接続(映像・音声)を確認する
- 企業ホームページの写真等から適切なドレスコードを判断する(迷ったらスーツ)
- 思考はフル回転でも会話はゆったりと構える
新型コロナウイルスは選考プロセスにも影響を与えていますが、これらのポイントを押さえておくことで、皆さんの実力を思う存分発揮してもらいたいです。